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「午後になると社員の集中力が続かない」「体調不良による欠勤や、出社していても本調子でない社員が減らない」。健康経営に取り組む担当者なら、一度は突き当たる壁ではないでしょうか。その打ち手として、いま1パック数十円の納豆があらためて見直されています。
理由は、千年以上継がれてきた経験則が、現代の研究で少しずつ裏づけられてきたからです。納豆は「腸内環境・免疫・血行・抗酸化」という4領域に同時に関わる、めずらしい食品です。特別な設備も専門知識も要りません。この手軽さこそ、全社員に届ける施策と相性が良い理由です。
この記事では、納豆の主要成分と健康効果、腸活の観点からみた納豆の特殊性、職場ならではの課題とその解決策、そして3つの導入アプローチを解説します。
先に要点をまとめます。納豆菌は芽胞をつくるため胃酸に強く、生きたまま腸に届きやすい。納豆1食で、善玉菌そのものとそのエサを同時に摂れる。職場への導入は、社食・セミナー・サプリの3経路で設計できる。読み終えるころには、自社が何から着手すべきかが見えているはずです。
| 成分 | 主な働き | 職場で期待できること |
|---|---|---|
| ナットウキナーゼ | 納豆のねばりに含まれる酵素。血液の流れをサポートする働きが報告されている | 血流の維持を通じた、日中のコンディションの下支え |
| ポリアミン(スペルミジン等) | 細胞の新陳代謝(オートファジー)に関わる成分。加齢とともに体内量が減るとされる | 疲れをためにくい体調管理 |
| ビタミンK2(メナキノン-7) | カルシウムを骨に届ける働きを助ける。納豆は食品の中でも含有量が際立つ | 骨や血管の健康維持による、長期的な健康リスクの低減 |
| 納豆菌(Bacillus subtilis var. natto) | 芽胞を形成し、熱・酸・乾燥に強い。生きたまま腸に届きやすい | 腸内フローラの改善を通じた、日々の体調の安定 |
なかでも注目したいのが納豆菌の強さです。ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌は、その多くが胃酸で死滅するとされています。一方の納豆菌は芽胞という殻をつくるため、胃酸をくぐり抜けて腸まで届きやすいのが特徴です。「腸に届く確率の高さ」という点で、納豆菌は腸活食品のなかでも扱いやすい存在だといえます。
腸内環境への影響という観点では、納豆は他の発酵食品と一線を画す特性があります。
納豆菌は腸内で増え、善玉菌が働きやすい環境をつくると考えられています。近年注目されているのが「腸脳相関」、つまり腸の状態と気分や意欲が影響し合うという視点です。体内のセロトニンの大半は腸でつくられており、腸内環境を整える意義があらためて見直されています。ただし、納豆を食べれば集中力が上がると言い切れる段階ではありません。日々のコンディションを支える土台づくりと捉えるのが現実的です。
さらに、納豆に含まれる食物繊維や大豆由来のオリゴ糖は、善玉菌のエサ(プレバイオティクス)になります。つまり納豆1食で、善玉菌の補給(プロバイオティクス)とそのエサの補給が同時に叶うわけです。この組み合わせは「シンバイオティクス」と呼ばれ、腸活の効率を高める考え方として知られています。1品でこれを完結できる食品は、そう多くありません。
「発酵食品なら何でもいい」と思われがちですが、職場に置くとなると差が出ます。比べる軸は、菌の届きやすさ・コストと手間・提供のしやすさ・塩分の4つです。結論から言えば、納豆は「腸に届きやすく、安く、塩分が低い」という点で職場向きです。
まず、菌の種類と胃酸への耐性です。ヨーグルトの乳酸菌やビフィズス菌は、多くが胃酸や胆汁で死滅するとされています。近年は生きて腸まで届くことを確認した菌株も増えました。死んだ菌にも腸への働きがあるという考え方もあります。味噌の麹菌や乳酸菌は、味噌汁として加熱する時点でほとんどが失活します。キムチの乳酸菌は植物由来で比較的酸に強いとされますが、製品差が大きいのが実情です。一方の納豆菌は芽胞という殻をつくります。胃酸をくぐり抜けて腸まで届きやすく、到達の安定感では一歩リードします。
次に、1食あたりのコストと手間です。納豆は1食数十円で、封を切ればそのまま食べられます。ヨーグルトも手軽ですが、スプーンが要り、単価はやや上がります。味噌汁はお湯と器が必要で、給湯設備の有無に左右されます。キムチは取り分けと容器の用意が発生します。手間の少なさと安さを両立できるのは納豆だといえます。
3つ目は、職場での提供しやすさです。納豆・ヨーグルト・キムチはいずれも要冷蔵で、社内の冷蔵庫容量が制約になります。常温で置けるのはインスタント味噌汁くらいです。においの面では、キムチと納豆が課題になりやすいでしょう。アレルギーにも配慮が要ります。納豆と味噌は大豆、ヨーグルトは乳、キムチは魚介(アミの塩辛や魚醤)が該当します。乳糖不耐の社員にはヨーグルトが合わないこともあります。提供前に原材料表示を確認し、社内に掲示しておくと安心です。
4つ目が、健康経営で最も見落とされやすい塩分です。味噌汁は1杯あたり、キムチは小鉢1皿あたりで、いずれも1g前後の食塩相当量があります。毎日の習慣にすると、塩分摂取量は着実に増えます。対して納豆は付属のタレを含めても1パックで0.6g前後です。プレーンヨーグルトはほぼゼロです。日本人の食塩摂取量は、国の目標量を上回る状態が続いています。血圧対策と腸活を同時に進めたいなら、塩分の低い発酵食品を軸に据えるのが合理的です。
最後に、比較したうえでの結論です。どれか一つを選ぶ必要はありません。腸内フローラは菌の多様性が大切だと考えられているからです。納豆で納豆菌、ヨーグルトで乳酸菌やビフィズス菌、といった具合に入口を複数もつほうが理にかなっています。あわせて野菜や海藻、果物などの食物繊維を添えると、菌のエサが増えます。職場では「毎日必ず納豆」と決めるより、選べる棚をつくる。この発想のほうが、結果として続きます。
最初の一歩は、社員が納豆を選べる環境を整えることです。社食のメニューに小鉢として加える、朝食用に個包装の納豆を社内に常備する、といった方法が現実的です。全員に配るのではなく、食べたい人がいつでも手に取れる状態にしておく。この設計なら、苦手な社員に負担をかけずに始められます。
置くだけでは、なかなか手は伸びません。そこで有効なのが腸活セミナーの実施です。成分の働き、腸脳相関、職場のコンディションとの関係を伝えると、納豆を選ぶ理由が社員自身のものになります。健康施策は「配る」より「腑に落ちてもらう」ほうが、結果的に続きます。
毎朝納豆を食べるのが難しい社員や、においや食感が苦手な社員もいます。その受け皿になるのが、凍結乾燥した納豆由来のサプリメントです。福利厚生として提供すれば、食習慣や好みに左右されず、納豆菌やナットウキナーゼを届けられます。全員に同じ方法を求めないことが、施策の参加率を押し上げます。
健康効果がわかっても、職場で実際に提供するとなると別の問題が出てきます。担当者がつまずくのは、におい・保管・苦手意識の3つです。
1つ目はにおいです。納豆特有のにおいは、発酵の過程で生まれるアンモニアやピラジン類などによるものです。個包装タイプを選ぶ、ふた付きの容器で食べる、食後用にマウスウォッシュを置く。こうした配慮だけで印象は大きく変わります。来客や会議が続く昼食時より、朝食や在宅勤務日に回してもらうほうが現実的です。空き容器はすすいで密閉し、ゴミの回収頻度も合わせて見直しましょう。
2つ目は保管です。納豆は要冷蔵が基本で、社内の冷蔵庫容量がボトルネックになりがちです。納豆は冷凍保存にも向くため、まとめ買いして冷凍し、前日に冷蔵庫へ移して解凍する運用にすると場所を取りません。消費期限を管理する担当をあらかじめ決めておくと、在庫が余りにくくなります。
3つ目は苦手意識です。納豆が食べられない社員は一定数います。健康施策で大切なのは全員に同じものを配ることではなく、選べる状態をつくることです。ひきわり納豆、乾燥納豆、納豆由来のサプリメントなど、においや食感の負担が小さい形も検討しましょう。
あわせて、導入前に必ず確認したい注意点があります。ワルファリンなどの抗凝固薬を服用している方は、納豆に多く含まれるビタミンKが薬の働きに影響するため、主治医から納豆を控えるよう指導されている場合があります。大豆アレルギーの方も同様に配慮が必要です。社内で提供する際は「該当する方は控えてください」と明記し、判断を個人任せにしない姿勢が欠かせません。
一般的な目安は1日1パック(40〜50g程度)です。大豆製品は他の食事からも摂るため、毎日2パック以上を続ける必要はありません。量より継続を優先しましょう。
ナットウキナーゼは熱に弱い性質があり、高温で加熱すると働きが落ちるとされています。料理に使う場合は仕上げに加えるなど、火を通しすぎない工夫が有効です。一方、納豆菌の芽胞は熱に強く残ります。
時間帯による差をはっきり示した研究は多くありません。続けやすさを優先するのが現実的です。職場ではにおいの面から、朝食や在宅勤務日の食事に組み込む形が取り入れやすいでしょう。
凍結乾燥タイプであれば納豆菌やポリアミンを摂れますが、加工方法によって残る成分は異なります。導入時は原材料と製法、1日の摂取目安を必ず表示で確認してください。
納豆そのものは1パック数十円程度で、食の施策としては始めやすい価格帯です。社食での提供やサプリの福利厚生化は方法によって費用が変わるため、対象人数と提供頻度から試算するのが確実です。
納豆は、ナットウキナーゼ・ポリアミン・ビタミンK2・納豆菌という成分に加え、大豆由来のイソフラボンやたんぱく質も併せ持ちます。そのため、腸内環境の改善・血行の維持・骨と血管の健康・抗酸化という複数の領域に同時に働きかけます。単一の食品でこれだけの範囲をカバーできるものは多くありません。1パック数十円という価格を踏まえれば、健康経営の施策として費用対効果の高い選択肢だといえます。
腸活の観点では、納豆菌が胃酸に強いことが際立った特徴です。ヨーグルトの乳酸菌の多くが胃で死滅するのに対し、納豆菌は芽胞をつくって腸まで届きやすい。腸内で増えることで、善玉菌が働きやすい環境を後押しします。単発ではなく続けることで腸内フローラの変化が期待できる。ここが、納豆を職場の定番に据える理由です。
今日から始められる最初の一手は、職場の朝食・昼食メニューや社食・社員向け福利厚生の選択肢に「納豆」を加えることです。添加物ゼロ・高タンパク・安価という三拍子が揃った納豆は、全社員に届けやすい健康投資の入口になります。
納豆は「昔から体に良い」という経験則が、現代の研究で少しずつ裏づけられてきた食品です。腸内環境・腸脳相関・免疫という切り口は、いずれも健康経営のテーマと重なります。とはいえ、全員が毎朝納豆を食べられるわけではありません。だからこそ、複数の入口を用意することが施策の鍵になります。
sonomono® の「そのもの納豆」は、納豆のみを原材料とした凍結乾燥サプリです。においや食感の好みに関係なく、納豆菌・ナットウキナーゼ・ポリアミンを職場で手軽に提供できます。
あなたの職場では、納豆が苦手な社員も含めて、毎日手軽に腸内環境を整えられる選択肢が用意できているでしょうか。まずは現状の食環境を棚卸しするところから始めてみてください。
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森 照明 (もり てるあき)
医学博士 / 日本脳神経外科学会認定専門医 監修
富山大学薬学部・東北大学医学部卒業。大分大学医学部臨床教授、国立病院機構西別府病院名誉院長。元日本卓球協会ナショナルチームドクター。大分県空手道連盟顧問。日本臨床スポーツ医学会名誉顧問。日本医療マネジメント学会功労会員。2012年大分合同新聞文化賞受賞。2021年 瑞宝中綬章受章。脳と腸の関係(脳腸相関)に関する知見をもとに、sonomonoの腸内環境研究に参画。

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