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「健康経営優良法人」という言葉は知っている。でも、申請要件を調べてみたら複雑で、どこから手を付ければいいか分からなくなった。自社に専任の担当者もいない。外部コンサルを雇う予算もない——。
そんな理由で、健康経営への第一歩を踏み出せずにいる人事担当者・経営者は、思いのほか多くいます。
実は、そのための「入口」が全国に整備されています。全国健康保険協会(協会けんぽ)が47都道府県の各支部で運営する「健康企業宣言」がそれです。宣言書を提出するだけで参加でき、費用は無料。専門家の伴走サポートを受けながら、銀の認定 → 金の認定というステップを踏むことで、経済産業省が認める「健康経営優良法人」への申請資格が得られる設計になっています。健康経営は、この「宣言」から始まります。
この記事では、協会けんぽの「健康企業宣言」の全体像、参加方法、銀・金の認定取得条件、そして健康経営優良法人への接続ロードマップを、担当者が今日から動けるよう順を追って解説します。
「従業員の健康管理は個人の問題」という時代は終わりました。
厚生労働省の調査では、メンタルヘルス不調による休職・離職が企業の生産性損失に直結することが繰り返し示されています。慢性的な体調不良を抱えながら出勤している「プレゼンティーズム」による生産性損失は、欠勤(アブセンティーズム)より大きいという報告もあります。健康経営は「従業員への福祉」ではなく、「企業の生産性と持続性を守る経営判断」です。
健康経営の重要性は理解していても、実際に取り組もうとすると壁があります。専任の産業医・保健師を置けない規模感、申請書類の複雑さへの不安、「何から始めればいいか分からない」という入口の見えなさ——これらが中小企業の健康経営を阻んできた最大の要因です。
協会けんぽの「健康企業宣言」は、そのすべての壁を取り除くために設計されています。
▶ チェック:自社の従業員の健康診断受診率を、直近で確認しましたか?
健康企業宣言への参加は、単なる社内取組にとどまりません。「宣言実施中」という事実を求人票やウェブサイトに掲載することで採用ブランディングに活用できます。さらに、銀・金の認定取得企業には、金融機関の融資利率低減や信用保証料率の優遇措置が設けられているケースがあります。健康への投資が、財務コストの削減にも直結する仕組みです。
▶ チェック:自社の採用ページや求人票に、健康への取組を示す情報を掲載していますか?
「健康企業宣言」は、全国健康保険協会(協会けんぽ)と事業所が連携し、従業員・その家族の健康保持・増進に組織的に取り組む制度です。宣言書の提出だけで参加でき、参加費・認定申請費ともに無料です。宣言後は、協会けんぽの保健師・栄養士による健康講座、健診データの集計・分析支援、特定保健指導のサポートなど、継続的な伴走支援が受けられます。
名称は都道府県支部ごとに異なります。東京都は「健康企業宣言®」、神奈川県は「かながわ健康企業宣言」、千葉県は「健康な職場づくり宣言」、沖縄県は「うちなー健康経営宣言」など、各支部が地域の実情に合わせた名称で運営していますが、評価基準・認定の仕組みはほぼ全国共通です。
参加の流れはシンプルです。
——以上の3ステップです。費用は一切かかりません。
提出直後から「宣言実施中」として対外的に発信することができます。
| カテゴリ | 必須項目 | 選択項目 |
|---|---|---|
STEP1(銀の認定) | ①100%健診受診 | 食・運動・メンタルヘルス・性差に応じた健康・睡眠・歯口腔・飲酒(7項目から選択) |
STEP2(金の認定) | STEP1の達成+健康管理・労働安全衛生の高度化 | より高い取組水準を自社で設定・達成 |
宣言日から6ヶ月以上が経過した後、取組結果を報告し合計80点以上(100点満点)を達成した事業所に「健康優良企業 銀の認定証」が交付されます。必須5項目すべてに取り組みつつ、選択7項目から自社の状況に合ったものを選んで実施します。6ヶ月間という期間は、取組の定着を確認するための最低ラインです。
▶ チェック:自社の特定保健指導の利用率を、直近の健診結果から確認しましたか?
銀の認定を取得した事業所がさらに取組水準を高め、健康管理・労働安全衛生のより高い基準を達成した場合に「健康優良企業 金の認定証」が交付されます。銀の認定から継続して改善を積み上げることが基本であり、健康経営優良法人への申請要件のひとつとなっています。
以下の項目を確認してください。当てはまる数が多いほど、今すぐ宣言に参加するメリットが大きい状況です。
□ 定期健康診断の受診率が90%未満の年がある
□ ストレスチェックは実施しているが、結果を経営改善に活かしていない
□ メンタルヘルス不調による休職が年1件以上発生している
□ 従業員が昼食を抜く・コンビニ食のみという日常が常態化している
□ 健康経営優良法人の認定を目指したいが、何から始めるか分からない
□ 採用活動で「働きやすさ・健康」をアピールできる材料がない
3つ以上当てはまる場合、自社の健康リスクが経営リスクになりつつある可能性があります。
協会けんぽへの宣言参加が、その改善の起点になります。
経済産業省が運営する「健康経営優良法人認定制度(中小規模法人部門)」の申請には、協会けんぽの健康企業宣言に参加しており、かつ「銀の認定」を受けていることが必須要件のひとつです。つまり、宣言→銀の認定というステップが、国の認定への直接の道筋になっています。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
STEP1 宣言 | 宣言書提出 → 協会けんぽとの取組確認 | 即時〜数週間 |
STEP2 銀の認定 | 6ヶ月後に取組報告 → 80点以上で認定 | 宣言後6〜12ヶ月 |
STEP3 金の認定 | 銀の認定後、より高い水準を達成 | 銀取得後6〜12ヶ月 |
STEP4 健康経営優良法人 | 経済産業省・日本健康会議に申請(毎年3月認定発表) | 金取得後、翌認定期 |
健康経営優良法人に認定されると、採用力の強化(ホワイト企業アピール)、取引先からの信頼向上、金融機関の優遇措置(融資利率・信用保証料率の低減)など、具体的な経営上のリターンが生まれます。「健康投資を経営の武器にする」という観点で、まず健康企業宣言から踏み出す企業が全国的に増えています。
▶ チェック:自社は健康経営優良法人の認定を、3年以内の目標として設定していますか?
協会けんぽの「健康企業宣言」は、費用ゼロ・専門家サポートつきで始められる健康経営の入口です。宣言 → 銀の認定 → 金の認定という段階的な構造が、専任担当者のいない中小企業でも無理なく継続できる設計になっています。国の「健康経営優良法人」認定という明確なゴールに向けた、最も現実的なルートがここにあります。
健康経営の成果を最大化するには、制度への参加だけでなく、従業員の身体の土台を整えることが欠かせません。腸内環境・睡眠・食習慣の改善は、どの取組項目(食生活改善・運動・メンタルヘルス)にも共通する基盤です。宣言制度の取組と腸活プログラムを組み合わせることで、スコア改善と体感変化の両方が期待できます。
今日からできる最初の一手は、自社が加入している協会けんぽの都道府県支部ウェブサイトを開き、「健康企業宣言」のページで参加申込みフォームを確認することです。難しい書類は後で整えればよい。まず宣言するという「意思表示」が、組織の健康文化を変える出発点になります。
参加費・認定申請費ともに無料です。宣言書の提出だけで参加でき、その後の保健師・栄養士による支援も費用負担なく受けられます。
宣言から最短6ヶ月後に取組報告を行い、合計80点以上を達成すれば銀の認定が交付されます。準備期間を含めると、宣言から6〜12ヶ月が目安です。
業種別健保組合の多くも同様の「健康企業宣言」制度を運営しています。自社の健保組合のウェブサイトで「健康企業宣言」「保健事業」のページを確認するか、担当窓口にお問い合わせください。
協会けんぽの健康企業宣言に参加し、かつ「銀の認定」を受けていることが、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の申請要件のひとつです。宣言への参加は、優良法人認定への最短ルートの第一歩です。
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