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健康経営のROIと効果測定:投資対効果を可視化する方法

「健康経営への投資は必要だと思います。でも、どれだけ効果があったのか、数字で教えてほしい」——経営層からのこのひと言に答えられない人事担当者は少なくありません。

健康経営のROIは、測定できないわけではありません。適切な測定フレームワークを持っていないだけです。この記事では、ROIを構成するコストの整理から、継続的に使えるKPI・実践ステップまでを順を追って解説します。

目次

まず整理する——健康不調が生む3つのコスト

健康経営の投資対効果を測るには、まず「健康不調がどのようなコストを生んでいるか」を把握することが出発点になります。コストは大きく3つに分類できます。

① アブセンティーズムコスト(欠勤・休職による損失)

病欠・休職による直接的な労働損失です。測定方法は比較的シンプルで、「欠勤日数 × 日次人件費(給与+間接費)」で算出できます。1人が1ヶ月休職した場合、給与コストだけで数十万円になります。補充コストや周囲の業務負荷まで含めると、実態はさらに大きくなります。

② プレゼンティーズムコスト(出勤しているが生産性が低下した損失)

これが最も見えにくく、かつ規模の大きいコストです。研究によると、プレゼンティーズムのコストはアブセンティーズムを上回るという傾向があります。SPQ(Stanford Presenteeism Questionnaire)などの標準化されたアンケートで生産性損失率を計測し、人件費に掛け合わせることで定量化できます。

③ 離職・採用コスト(健康不調に起因する離職)

慢性的なストレスや体調不良が引き金となる離職は、採用・教育コストとして組織に返ってきます。1人採用するコストは平均で100万円を超えるとされており、新入社員が戦力化するまでの教育コストを加えると、実態はその数倍になることもあります。

📎 出典:マイナビ・リクルートほか各社採用白書。中途採用平均:約100〜103万円(2023年調査

この3つのコストの合計に対して、健康経営施策への投資額を比較することが、基本的なROIフレームワークです。

コスト種別内容測定方法
アブセンティーズム
(欠勤・休職)
病欠・休職による直接的な労働損失欠勤日数 × 日次人件費
(給与+間接費)
プレゼンティーズム
(出勤中の生産性低下)
出勤しているが本来のパフォーマンスが出ていない状態の損失
※アブセンティーズムの2〜3倍規模
SPQなどのアンケートで
生産性損失率を計測し
人件費に掛け合わせる
離職・採用コスト
(健康不調に起因)
健康不調が引き金となる離職による採用・教育コスト採用費用(平均100万円〜)
+教育コスト

ROIの計算式と考え方

健康経営ROIの基本的な計算式は以下のとおりです。

ROI(%)=(効果額 − 投資額)÷ 投資額 × 100

【効果額の内訳】

  1. アブセンティーズムコストの削減分
  2. プレゼンティーズムコストの改善分
  3. 離職・採用コストの削減分

効果額は、①アブセンティーズムコストの削減分・②プレゼンティーズムコストの改善分・③離職・採用コストの削減分の合計として算出します。

たとえば、健康施策に年間300万円を投資して欠勤コストが150万円・採用コストが200万円削減されたとすれば、効果額350万円に対してROIは約17%になります。

ただし、これは定量化しやすい部分の試算です。「エンゲージメント向上による顧客満足度改善」「採用競争力の強化」といった効果も実際には存在しますが、数値化が難しいため補足情報として添えるにとどめるのが現実的な対応です。

継続的に追跡すべきKPI

ROIの測定を一時的な試算で終わらせないためには、継続的に追跡できるKPIが必要です。
以下の5つが実務的に扱いやすい指標です。

① 欠勤・休職率

月別・部署別で追跡し、施策前後で比較します。最もわかりやすく、経営層への説明でも使いやすい指標です。ベースラインとなる期間を設定したうえで、施策開始後の推移を記録します。

② プレゼンティーズムスコア

年に1〜2回のアンケートで計測します。SPQやWHODASなどの標準化された設問票を使い、「過去4週間でどの程度集中して仕事に取り組めたか」といった項目で生産性損失を定量化します。数年にわたって同じ設問で計測することで、トレンドとして可視化できます。

③ エンゲージメントスコア

従業員満足度・エンゲージメント調査の年次変化を追います。健康経営の効果は短期的には欠勤率に、中長期的にはエンゲージメントとして現れます。組織の健康度を示す総合指標として位置づけられます。

④ 健康行動実施率

セミナー参加率・特定保健指導の実施率・禁煙プログラムの利用率など、「施策が社員に届いているか」を測る先行指標です。ROIの「結果指標」だけでなく、「プロセス指標」として追うことで施策の改善点を早期に発見できます。

⑤ 医療費・保険給付額

組合健保がある場合は医療費の推移を追うことができます。施策の効果が出るまでには2〜3年かかることが多いですが、長期的なROIを補強する材料として有効です。

KPI チェックリスト

□【欠勤・休職率】月別・部署別で追跡。施策前後での比較が最もわかりやすいROI指標。
□【プレゼンティーズムスコア】SPQなどの標準アンケートで年1〜2回計測。生産性損失を定量化する。
□【エンゲージメントスコア】年次調査で推移を追う。健康経営の中長期効果が現れる総合指標。
□【健康行動実施率】セミナー参加率・特定保健指導実施率など。施策の「届き度」を測る先行指標。
□【医療費・保険給付額】組合健保がある場合に活用。長期的なROI補強に有効。

ROI測定を実践するための4ステップ

STEP 1:ベースラインを設定する

施策を開始する前に、上記のKPIの現在値を記録します。「比較できる起点」がなければROIは算出できません。この一手間を惜しまないことが、後の説明力を大きく左右します。できれば過去2〜3年分の社内データもあわせて整理しておくと、経年変化が見えやすくなります。

STEP 2:測定タイミングを決める

効果が出るまでには時間がかかります。欠勤率・プレゼンティーズムは四半期ごと、エンゲージメントスコアは年1回を目安に計測するのが現実的です。「施策開始後3ヶ月で結果を求める」という期待値は、測定を形骸化させる原因になります。測定サイクルを事前に合意しておくことが重要です。

STEP 3:経営層への報告フォーマットをつくる

「先期比で欠勤日数が○日減少し、推計コストで△万円の削減効果がありました。プレゼンティーズムスコアは□ポイント改善しています」——このような形式でまとめると、経営層は判断しやすくなります。

感覚論ではなく、比較と変化量で語ることが説明力を生みます。

STEP 4:ROI測定を年次PDCAに組み込む

健康経営のROI測定を「単発の作業」ではなく、年次の人事・総務サイクルに組み込みます。毎年同じ指標を測り続けることで、初めてトレンドとして可視化できます。数年後には、投資額と効果額の推移を時系列で見せられる「健康経営レポート」として整備できるようになります。

見えていないコストを減らす——「身体の土台」という視点

ここまで紹介したKPIは、いずれも「組織側から見た状態の変化」を測るものです。しかし、数値を追い続けると自然と浮かび上がってくる問いがあります。「なぜ欠勤が多いのか」「なぜプレゼンティーズムスコアが改善しないのか」——この問いに答えるには、もう一段階、社員一人ひとりの身体の状態に目を向ける必要があります。

疲れやすい・集中できない・感染症にかかりやすい——これらは組織的な要因だけでなく、睡眠・栄養・腸内環境といった生理的な基盤の乱れとして現れることがあります。特に腸は、免疫細胞の約70%が集中する器官であり、精神的な安定に関わるセロトニンの約90%が産生される場所です。慢性的なストレスやバランスの乱れた食事によって腸内環境が悪化すると、免疫機能・集中力・気分の安定性がまとめて低下することが研究で示されています。

📎 出典:腸内セロトニンに関する医学知見(複数の消化器・神経科学研究で報告)
📎 出典:腸管免疫(GALT)に関する免疫学的知見。「60〜70%」と記述される文献が多い

もちろん、腸内環境の指標を主要KPIとして健康経営に組み込む事例は、現時点ではまだ一般的ではありません。しかし、「欠勤率の改善が頭打ちになっている」「施策を続けているのにプレゼンティーズムが変わらない」という状況に直面した際に、社員の身体的コンディションに目を向けることは、次の打ち手を見つけるための有効な視点になります。

ROIの最大化を目指すなら、組織設計と身体的な基盤の両面から健康経営を設計することが、長期的に見て合理的な選択です。

まとめ——「測る健康経営」を実践するために

健康経営のROIは、正しい測定フレームワークと追跡可能なKPIがあれば、経営層に説明できる数字として可視化できます。欠勤率・プレゼンティーズム・エンゲージメントをベースラインから計測し、年次PDCAに組み込むことが第一歩です。

数値の改善が続かない場合には、組織的な施策と並行して、社員の身体的コンディションへのアプローチを検討することも選択肢のひとつです。腸内環境を整えることが、見えにくいコストの削減につながる可能性があります。

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