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うつ病の社員への対応は、上司にとって非常にデリケートな課題です。「良かれ」と思った言葉が、かえって部下を追い詰めてしまうケースも少なくありません。
うつ病は、精神的なエネルギーが枯渇し「頑張りたくても頑張れない」状態です。この状況で「頑張れ」と励ますのは、空のガソリンタンクにアクセルを踏ませるようなもの。回復を妨げ、信頼関係を損ねる原因となります。
本記事では、うつ病の社員と上司が直面する5つの具体的なシーンを取り上げます。それぞれの場面で避けたいNG言動と、部下の回復を促し、信頼を深める「適切な声かけ」を実践的に解説。さらに、組織として整えるべき支援体制や、健康経営の視点からできる予防策まで網羅的にご紹介します。
部下が「もう限界」と打ち明けてきた際、上司が陥りがちなNG反応は2つです。一つは「仕事の話にすり替える」、もう一つは「無意識にハードルを引き上げる」ことです。
| 言ってしまいがちなひと言 | 信頼を積むひと言 |
|---|---|
| 「え、そうなの?でも今月の締め切りが…」 | 「話してくれてありがとう。それは大変だったね」 |
| 「最近ちょっと元気なさそうだった。でも頑張れる?」 | 「今日は業務の話はしなくていい。今の状態を教えて」 |
| 「うつ?大げさじゃない?」 | 「一緒に考えよう。まず産業医に相談してみようか?」 |
まず「話してくれてありがとう」と感謝を伝えます。この感謝の言葉が、部下の心を開く第一歩です。感謝なくして、どんなに正しい言葉も部下には響きません。
休職を促す際、上司が無意識に部下を追い詰める言葉を選んでしまうことがあります。「とりあえず」「引き継ぎをしてから」といった言葉は、すでに限界の社員にとって大きな精神的負担となるのです。
| 言ってしまいがちなひと言 | 信頼を積むひと言 |
|---|---|
| 「とりあえず今週は有休使って休んでみて」 | 「休むことを、会社として勧めます」 |
| 「休むにしても、引き継ぎをしてから」 | 「引き継ぎは私がやる。何も心配しなくていい」 |
| 「いつ戻れそう?」 | 「戻るタイミングは焦らなくていい。体が最優先」 |
「私が引き継ぐから、安心して休んで」と伝えましょう。部下が「自分がいなくても業務は回る」と心から思えたとき、初めて心身ともに休養できるのです。
休職中の社員への連絡は、「連絡しすぎ」も「音信不通」も回復を妨げます。重要なのは、社員本人が連絡頻度や方法をコントロールできる形で関わることです。
| 言ってしまいがちなひと言 | 信頼を積むひと言 |
|---|---|
| 毎週連絡を入れる(本人のペースを乱す) | 「2〜3週間に1回、短く安否確認をしてもいい?」と先に確認する |
| 「○○さんの代わりが大変で…」 | 「仕事は解決済み。何も心配しなくていい」 |
| 「完全に忘れて休んでね」(孤立感を生む) | 「返信できないときはしなくていい。見るだけでOK」 |
復職直後の一週間は、その後の職場定着に大きく影響します。この期間の適切な対応が非常に重要です。
「お帰り」と声をかけた後、すぐに業務を振るのは避けましょう。これは復職後の社員にとって、大きなプレッシャーとなります。
| 言ってしまいがちなひと言 | 信頼を積むひと言 |
|---|---|
| 「お帰り!早速だけどこの件お願いできる?」 | 「おかえり。今日はまず話を聞かせて。急がないから」 |
| 「元気そうだね!もう大丈夫だね?」 | 「少しずつ慣らしていこう。困ったら何でも言って」 |
| 周囲に病名を説明してしまう | 周囲には「しばらく体調を崩していた」程度に留める(本人の意向を確認してから) |
復職後の社員が再び不安定な状態になった場合、上司が直接、病状や医療的な話題に踏み込むのは避けるべきです。上司としてできることの範囲を理解し、適切な対応を心がけましょう。
| 言ってしまいがちなひと言 | 信頼を積むひと言 |
|---|---|
| 「また元気なさそうだね…」(観察を直接伝える) | 「最近どう?体の調子はどうですか?」 |
| 「薬は飲んでるの?」 | 「産業医との面談、定期的に続けていますか?困ったことがあれば一緒に考えます」 |
| 「今度こそ頑張ろう」 | 「無理せず調整できることがあれば言ってね」 |
これまでの5つのシーンに共通する、うつ病の社員対応における基本原則を整理します。単に言葉を変えるだけでなく、上司としての「姿勢」そのものを変えることが重要です。
うつ病の社員は、自分から不調を訴えることが難しい場合があります。そのため、上司が日頃から部下の様子を観察し、異変のサインに早期に気づくことが非常に重要です。
以下のような変化が見られた場合、うつ病の可能性を疑い、慎重な対応を検討しましょう。
これらのサインは、一時的な疲労やストレスによるものかもしれません。しかし、複数のサインが継続して見られる場合は、専門家への相談を促すなど、早期の対応が求められます。
うつ病は、年齢や職業に関わらず誰でも発症する可能性のある心の病気です。しかし、特定の性格傾向や環境要因を持つ社員は、うつ病にかかるリスクが高いと言われています。
一般的に、以下のような特徴を持つ社員は、うつ病になりやすい傾向があります。
これらの特徴を持つ社員は、一見すると「優秀な人材」と評価されがちです。しかし、その裏で大きなプレッシャーやストレスを抱えている可能性があるため、上司や経営者は特に注意深く見守る必要があります。
個々の上司の対応だけでは、再発リスクを下げることには限界があります。
制度・仕組みとして以下を整えることが、定着率の向上につながります。
これらを人事規定として明確にすることで、上司が一人で判断に迷う状況を防ぎ、適切な対応を促します。
月に1回以上、業務以外の「状態確認」を目的とした1on1を定期的に実施しましょう。これにより、社員のメンタル不調のサインを早期にキャッチし、問題が深刻化する前に対処できます。
EAPの存在を知らない社員は少なくありません。休職前・復職後どちらのタイミングでも利用できること、匿名で相談できることを、上司から積極的に周知する機会を設けましょう。
うつ病の基礎知識、NG言動、相談窓口へのつなぎ方など、体系的な学びの機会がないまま対応している上司は少なくありません。年1回でも管理職向けメンタルヘルス研修を組み込むことで、組織全体の対応品質が向上します。
うつ病の社員への言葉選びや、組織としての支援体制を整えることは非常に重要です。
しかし、どれだけ職場環境を改善しても、社員一人ひとりの「回復力の土台」が脆弱であれば、再発リスクは依然として高いままです。
心の回復は、身体の状態と密接に関わっています。睡眠の質、食欲、日中の活動量といった身体的なコンディションが崩れると、メンタルの安定も損なわれがちです。言葉によるケアと並行し、社員が「身体を整えられる環境」を提供することが、上司や組織としてできる重要な次の一手となります。
その中でも近年、メンタルヘルスとの関連で特に注目されているのが「腸内環境」です。
腸は「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの約90%を産生する重要な器官です。腸内環境の乱れが気分、睡眠、意欲の低下と連動することが、多くの研究で示されています。「腸を整える腸活」は、メンタル回復を身体の側面から支える、具体的かつ実践しやすいアプローチと言えるでしょう。
うつ病の社員に対し、善意の言葉が裏目に出てしまうのは、上司の人間性の問題ではありません。うつ病という病状への理解が不足していることが主な原因です。
「頑張ろう」「大丈夫?」「いつ戻れそう?」といった言葉は、通常のコミュニケーションでは自然です。しかし、精神的なエネルギーが枯渇した状態の社員には、大きな負荷となってしまいます。
本記事で紹介した5つのシーンごとに「信頼を築く適切な声かけ」を準備しておくことが、上司としてできる最初の、そして最も重要な投資と言えるでしょう。
また、うつ病の予防と回復には、薬物療法や心理的サポートだけでなく、「身体の土台」に目を向けることが近年注目されています。
腸内環境は、気分や意欲に関わるセロトニンの産生に深く関与しています。腸の状態を整える「腸活」がメンタルの回復を後押しするという知見が蓄積されており、職場単位で取り組みやすい点が大きな強みです。
今日から実践できる最初の一歩は、次の1on1で「最近、体の調子はどうですか?」と尋ねることです。業績や業務の話を一旦脇に置き、身体の状態を気遣うその姿勢こそが、社員にとって「ここは安全な場所だ」という安心感につながります。
sonomono®ウェルネスプログラム(SWP)は、腸活サプリと排便記録ツールを活用し、復職後の社員を含む全社員の身体的なストレス耐性と回復力を高める仕組みを提供しています。
メンタルヘルスケアの「次の一手」として、多くの企業で活用されています。

| サービス内容 | 詳細 |
|---|---|
| 従業員向け腸活セミナー(無料) | 腸とメンタル回復の関係をわかりやすく伝える |
| 腸活サプリ「そのもの納豆」の導入支援 | 添加物ゼロ・納豆100%・納豆菌サプリメント |
| 排便記録ツール | 腸内環境の変化を「見える化」して行動変容を促す |
| プレゼンティーズム改善によるROIの算出サポート | 導入効果を数値で把握できる |
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森 照明 (もり てるあき)
医学博士 / 日本脳神経外科学会認定専門医 監修
富山大学薬学部・東北大学医学部卒業。大分大学医学部臨床教授、国立病院機構西別府病院名誉院長。元日本卓球協会ナショナルチームドクター。大分県空手道連盟顧問。日本臨床スポーツ医学会名誉顧問。日本医療マネジメント学会功労会員。2012年大分合同新聞文化賞受賞。2021年 瑞宝中綬章受章。脳と腸の関係(脳腸相関)に関する知見をもとに、sonomonoの腸内環境研究に参画。

従業員の健康意識と
パフォーマンスの
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