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プレゼンティーイズムと生産性損失の見える化

目次

SPQによる職場の「見えない損失」の把握とその意義 

健康経営を推進するうえで、「プレゼンティーイズム(Presenteeism)」の把握は極めて重要です。
これは、従業員が出勤していても、体調不良やメンタル不調などで本来のパフォーマンスを発揮できていない状態を指し、欠勤(アブセンティーイズム)とは異なり、外からは見えづらい「隠れた生産性損失」です。

そのものウェルネスプログラム(SWP)では、このプレゼンティーイズムを可視化する指標として、SPQ(Single-item Presenteeism Question)を採用しています。

SPQとは?

SPQは、たった1つの質問でプレゼンティーイズム(=生産性損失)を数値化できる評価指標です。
質問は以下の通りです。

「病気やけがの影響を考慮したうえで、理想的なパフォーマンスを100%としたとき、過去4週間のあなたの仕事のパフォーマンスは何%でしたか?」

従業員は 1~100% の間で自己評価し、(100-回答値)をプレゼンティーイズム率(=生産性損失率)として算出します。

SPQスコアの解釈例

回答意味生産性損失(SPQスコア)
100%パフォーマンス完全発揮0%(損失なし)
80%2割パフォーマンス低下20%の損失
60%大幅な業務効率低下40%の損失

このように、個々のパフォーマンス状態を定量的に把握することができます。

SPQの信頼性と科学的根拠

東京大学の研究チームによる検証では、SPQは以下の点で高い信頼性が示されています。

  • 欠勤やストレス、睡眠、健康状態などと有意な相関を持つ
  • 従来のHPQ※1よりも予測因子との関連性が明確
  •  年齢や性別、職種といった属性に左右されにくく、職場間比較に適している
  • 簡単に定期実施できるため、経年比較や健康施策の効果測定にも活用可能
  • 出典:Muramatsu et al. (2021). Testing the Construct Validity and Responsiveness of the Single-Item Presenteeism Question.
  • 1) HPQ(Health and Work Performance Questionnaire)とは、世界保健機関(WHO)が開発した「従業員の仕事のパフォーマンス(生産性)」を測定するための質問票です。

プレゼンティーイズムはどれほどの影響があるのか?

日本における調査では、プレゼンティーイズムによる損失は、従業員1人あたり年間約50万円以上にものぼるとされています(健康関連コスト全体の77.9%に相当)。
これは欠勤(4.4%)による損失や医療費(15.7%)をはるかに上回る水準です。

企業にとって、プレゼンティーイズムを軽視することは、生産性の低下や経営損失に直結しかねないのです。

健康関連総コスト(3企業・組織3,429件):
WHO/HPQ+アブセンティーイズム(アンケート)

スクロールできます
項目平均(円)割合(%)
2014年度医療費113,92815.7%
労災給付金6,8700.9%
傷病手当金支給額7,3281.0%
アブセンティーイズム
(アンケート)
31,7784.4%
相対的プレゼンティーイズム564,96377.9%
724,868100%
  • プレゼンティーイズムは、WHO/HPQによる相対的プレゼンティーイズム(同様の仕事をしているパフォーマンスに対する過去4週間の自分のパフォーマンスの比)、アブセンティーイズムはアンケート回答による病欠日数を採用。
  • 出典:厚生労働省保険局「コラボヘルスガイドライン」35ページ
  • https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000171483.pdf

なぜプレゼンティーイズムを見える化するべきなのか?

  1. 従業員の“出勤しているのに成果が出ない”状態を可視化できる
  2. 健康課題(例:ストレス、睡眠不足、生活習慣)との関係性を把握しやすい
  3. 改善施策の効果を数値で確認できる(例:平均SPQスコアの改善)
  4. 離職予防や組織改善の重要なヒントとなる

そのものウェルネスプログラムでは、定期的なSPQの実施を通じてパフォーマンス率の変化を把握し、以下の可視化を行い、

  • 時期別のパフォーマンス率傾向把握
  • プレゼンティーイズムによる生産性損失コストの算出
  • 健康支援策(腸活や生活習慣チェック)の効果検証

といった形で、生産性向上と従業員支援の両立を目指しています。

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